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更年期の代表的な症状「ホットフラッシュ」の原因とおすすめの対処法

更年期には身体的にも精神的にもさまざまな症状が現れますが、最も代表的な症状として多くの人が思い浮かべるのが、「ホットフラッシュ」です。
今回は、ホットフラッシュにスポットを当て、具体的な症状とその原因、おすすめの対処法についてご紹介します。

目次
  1. 1.今さら聞けない!?更年期とはどのような時期?
  2. 2.ホットフラッシュとは?知っておきたい具体的な症状
  3. 3.ホットフラッシュが起こる原因
  4. 4.日頃からできるホットフラッシュへのおすすめの対策
  5. 5.おすすめのホットフラッシュへの対処法

1.今さら聞けない!?更年期とはどのような時期?

今さら聞けない!?更年期とはどのような時期?

更年期とは、閉経前後の10年ほどの時期を指します。50歳くらいで閉経する人が多く、45歳から55歳くらいの時期が更年期と考えられています。この10年くらいの時期に卵巣の機能が低下し、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌が急激に減少します。

そして、閉経後はこの「エストロゲン」がほぼ分泌されなくなります。
更年期には精神的にも身体的にもさまざまな症状が現れますが、その症状の有無や程度には個人差があります。

更年期の症状として代表的なものにホットフラッシュのほか、めまい、鬱、イライラ、肩こり、不眠などがあります。そのうち日常生活に支障をきたすほどの深刻な症状は更年期障害と呼ばれています。

2.ホットフラッシュとは?知っておきたい具体的な症状

ホットフラッシュとは?知っておきたい具体的な症状

ホットフラッシュというのは、ほてりやのぼせ、発汗といった症状を指します。
より具体的な症状としては、突然体が熱くなったり、滝のような汗が止まらなくなったり、顔が紅潮したり、動悸がしたりといったものが挙げられます。

急激に襲われることが多く、更年期の女性を悩まされる症状のひとつです。 さらに症状が進むと、めまいや吐き気などを伴い辛い症状が長引くこともあります。

そのため日頃から対策を取り、ホットフラッシュに見舞われた時も慌てず自分でできる対処法を知って行うことが大切です。

3.ホットフラッシュが起こる原因

ホットフラッシュが起こる原因

ホットフラッシュへの対策や対処法を知る前に、ホットフラッシュがなぜ起こるのか、そのメカニズムを知っておくことも大切です。その背景には更年期の根本的な原因である女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の減少があります。
卵巣機能が衰えエストロゲンの分泌が減少しますが、脳はそれまでと変わらずエストロゲンを分泌するよう指令を出し続けます。

しかし、実際にはこれまでのように分泌できず脳の指令に応えることができません。その結果脳が混乱し自律神経が乱れます。そうして体温調節がうまくできなくなるなどしてホットフラッシュは起こります。

しかし、エストロゲンの減少ばかりがホットフラッシュの原因とは言い切れません。時には重大な疾患が潜んでいることもあります。ホットフラッシュは更年期特有の症状と看過せず、他にも気になる症状があったり、症状が深刻に思えたりする場合は特に受診してみることをおすすめします。

4.日頃からできるホットフラッシュへのおすすめの対策

日頃からできるホットフラッシュへのおすすめの対策

日頃からできる対策としては、まず自律神経を整えることです。
そのためには生活全般を見直す必要があります。

規則正しい生活を心がける
まずは規則正しい生活を送ることです。毎朝決まった時刻に起床し、就寝しましょう。
そして、食事や入浴などもできるだけ毎日同じような時刻を心がけ、生活全体にリズムを作ることが大切です。

朝の過ごし方を見直す
自律神経を整えるためには朝の過ごし方も重要です。早起きすることもおすすめですが、私たちは寝ている間にコップ1杯ほどの汗をかくといわれているので、起床したらうがいや歯磨きを済ませてコップ1杯の水を飲むことからスタートしましょう。

そして、朝は太陽の光をしっかりと浴びることが大切です。このことが自律神経を整える体内時計のリセットにつながります。朝起きたらカーテンをすぐに開けて朝日を浴びるほか、朝の散歩を日課にするという方法もひとつの手です。

食生活を見直す
食事の間隔は、5〜6時間おきを心がけるのが理想的です。食事の内容も大事で動物性タンパク質や食物繊維を含む食品の摂取を心がけるとともに、バランスの取れた食生活を心がけましょう。また、よく噛んで食べることは幸福ホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌を促すといわれています。1口あたり30回を目標に、よく噛んで食べることを習慣にしましょう。

朝食では乳製品やナッツ類などに含まれるトリプトファンや玄米や青魚、豚肉などに含まれるビタミンB6を摂取することがセロトニンの分泌を促し、自律神経を整えるのに効果的だといわれています。

カフェインとの付き合い方も見直す必要があります。多くてもその摂取量は1日3杯までとし、遅くとも15時には口にするのを控えるのが自律神経を整えるための良質な睡眠にベストな選択と言えます。

シャワーではなく湯船に浸かる
疲れた日や暑い日などシャワーで済ませたくなる日もあるでしょう。
しかし、自律神経を整えるためには就寝の90分程度前に39〜40度のぬるめのお湯に15分程度浸かるのがおすすめです。そうすることで副交感神経が優位となって安眠への効果が期待できます。

夜の過ごし方を見直す
自律神経を整えるためには睡眠がとても大切で、夜の過ごし方を見直すこともその第一歩となります。スマホやPCなどから発せられるブルーライトは安眠の妨げになることがわかっています。

寝る間際までスマホが手放せない方はスマホとの付き合い方を見直し、どんなに遅くても就寝の1時間前までにその利用を控えるのがベストです。また、19時くらいから照明を少し暗くすることも安眠への効果が期待できます。

夜はできるだけ刺激を避け、心穏やかに過ごしましょう。アロマや音楽の力を借りるのもおすすめです。

適度な運動を心がける
自律神経を整えるためにもホットフラッシュを予防するためにも適度な運動を行うことが効果的だといわれています。
ハードな運動は交感神経を優位にしてしまうため、ウォーキングやヨガ、太極拳などがおすすめです。 日頃から汗をかくことを習慣にしていると顔から大量の汗を出すのを防ぐことにもつながり、全身の血流をよくしのぼせを防ぐ効果も期待できます。

ストレスを溜め込まない
ストレスは自律神経を乱れさせる要因となります。とはいえ、ストレスは私たちの生活につきものと言えます。そのためストレスをなくそうとするのではなく、溜め込まないように心がけることが大切です。
そのためにはオンとオフをうまく切り替えたり、没頭できる趣味を持ったりすることも おすすめです。

十分な休息をとることを心がける
更年期という時期は睡眠障害に悩まされたり、変化していく自分の身体や心に戸惑い、不安を感じたりする時期です。
そうすると自ずと十分な睡眠が取れず、その結果疲労が蓄積されて悪循環に陥ることがあります。 そのため無理をせず休息を心がけることも大切です。

これまで通りに目の前の家事や仕事などに取り組もうとせず、時間をかけて行動したり、周囲の人にうまく甘えて心にも身体にもゆとりを持ったりすることも必要です。

また、十分な睡眠を取ることが理想ですが、それが難しい場合には睡眠の質を上げる努力をしましょう。 このほか、エクオールサプリメントの摂取もホットフラッシュを軽減する効果が期待できるといわれています。

5.おすすめのホットフラッシュへの対処法

おすすめのホットフラッシュへの対処法

ホットフラッシュへの対処法として代表的なのは、ホルモン補充療法(HRT)があります。不足していくエストロゲンを飲み薬や貼り薬などで補う治療法で、ホットフラッシュだけでなく、更年期の辛い症状を軽減する効果が期待できます。

受診することに躊躇するかもしれませんが、受診することで現在のエストロゲンの分泌量なども知ることができ、カウンセリングで悩みを聞いてもらうことで気持ちが軽くなるなど様々なメリットがあります。

また、治療法もホルモン補充療法に限らず漢方薬の処方などもあり、医師と相談しながら選ぶこともできます。 このほか、ドラッグストアなどで販売されている漢方薬など市販の医薬品の力を借りるのもひとつ手段です。その場合は店頭で薬剤師に症状を相談しながら選ぶことが大切です。 いかがでしたでしょうか。

今回は、更年期の代表的な症状であるホットフラッシュの具体的な症状とその原因、おすすめの対処法についてご紹介しました。ぜひ参考にしていただき、更年期というネガティブなイメージが伴う時期を少しでも過ごしやすく、自分らしく過ごせる時期にするためできることから始めてみましょう。
 

ライター:遠藤幸子

美容ライター、エイジング美容研究家

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