お役立ち健康コラム

「〇歳だから更年期」更年期と年齢の関係性

女性ホルモンや身体など、さまざまな変化が起こる更年期。
より健康に生活するためにも「カルシウム」を十分に摂取しなければなりません。

更年期にカルシウムが不足してしまうと、骨粗鬆症や心臓血管疾患等のリスクが高まってしまうのです。

この記事ではサプリメントインストラクターの筆者が、更年期にカルシウムが重要な科学的な理由を解説します。
そして、合わせて摂りたい栄養素や、カルシウムが豊富な栄養素も紹介しています。

更年期にカルシウムが必要な理由をしっかり理解して、更年期以降もよりキラキラと輝いていられるように、対策をしましょう。

目次
  1. 1.更年期にカルシウムが不足するリスク
  2. 2.カルシウムの必要量と合わせて摂りたい栄養素
  3. 3.カルシウムが多い食品
  4. 4.まとめ

1.更年期にカルシウムが不足するリスク

更年期にカルシウムが不足するリスク

更年期にカルシウムが不足すると、どのようなリスクがあるのでしょうか。
更年期以降は女性ホルモンの分泌量が減る影響で、カルシウムが骨から溶出しやすくなってしまいます。
より多くカルシウムを摂取しましょう。

骨粗鬆症

更年期にカルシウムが不足すると、骨粗鬆症のリスクが高まります。まず、その仕組みについて解説しましょう。

人体は血液中のカルシウム濃度を一定に保っています。
カルシウム濃度が低下すると、副甲状腺ホルモンである「パラソルモン」が分泌されます。
このパラソルモンは、骨からカルシウムを溶出させて血中のカルシウム濃度を高めることで、カルシウム濃度を保つのです。

ではなぜ更年期が関係するかというと、パラソルモンはエストロゲン(女性ホルモン)の影響を受けるからです。
エストロゲンはパラソルモンを抑制する作用があるのですが、更年期以降にエストロゲンの分泌量が低下することで、パラソルモンを抑制できなくなります。

パラソルモンを抑制できなくなる分、骨からカルシウムを溶出する量が増えて、骨粗鬆症になりやくなってしまうのです。

そのため更年期以降は、よりカルシウムを多く摂取して血中のカルシウム濃度低下を防がなければなりません。

動脈硬化や関節痛

先ほど解説したように、カルシウムが不足すると副甲状腺ホルモンであるパラソルモンが分泌され、骨からのカルシウム溶出が増えます。

女性ホルモンであるエストロゲンは、パラソルモンを抑制する作用がありますが、更年期以降にエストロゲンの分泌が減ることで、パラソルモンを抑制できなくなるのです。

パラソルモンを抑制できないせいで、骨からカルシウムが必要以上に溶出します。
そうすると、血管に沈着して石灰化、動脈硬化のリスクが高まります。
さらに、膝や腰、肩などに沈着して関節痛のリスクも高まるのです。

なので、更年期以降はよりカルシウムを多く摂取しなければなりません。

では、カルシウムはどれくらい不足していて、どれくらい摂らなければならないのでしょうか。

2.カルシウムの必要量と合わせて摂りたい栄養素

カルシウムの必要量と合わせて摂りたい栄養素

更年期以降はカルシウムを多く摂る必要があると、先ほど解説しました。
日本人の多くは、必要摂取量を摂れていないからです。

とはいえ、栄養素は摂りすぎても摂らなさすぎてもだめなので、必要量を知って適度な量を摂取しましょう。

カルシウムの必要量

カルシウムの必要量は厚生労働省が発表しています。
日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、1日のカルシウムの推奨摂取量は、15~74歳女性が650mgです。

一方、令和元年の国民健康・栄養調査結果によると、国民の平均的なカルシウム摂取量は40代女性が441mg、50代女性が472mgです。

このことから日本人の平均的な食事をしていると、カルシウムの必要摂取量の2/3しか摂取できておらず、1日あたり200mg前後不足していることがわかります。

必要量を満たすためには、カルシウムが豊富な食事を増やしたり、サプリメントを活用したりする必要があるでしょう。

マグネシウムも重要

先ほど、更年期によってエストロゲンの分泌量が低下し、パラソルモンを抑制できなくなることで、カルシウムの溶出が増えてしまうと解説しました。

そんな中、マグネシウムにはパラソルモンを低下させる作用があるため、カルシウムの余分な溶出を減らせます。
なので更年期でのマグネシウムの十分な摂取は、骨粗鬆症や心臓血管系疾患、関節痛の予防にも重要です。

日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、1日のマグネシウム推奨摂取量は、30~64歳女性が290mgです。

一方、令和元年の国民健康・栄養調査結果によると、国民の平均的なマグネシウム摂取量は40代女性が219mg、50代女性が233mg。
日本人の平均的な食事をしていると、マグネシウムの摂取量が、1日あたり60~70mg足りていないことになります。

マグネシウムも摂取量を増やさなければなりません。

ビタミンDも重要

ビタミンDには、カルシウムの吸収を促す作用があります。
なので、ビタミンDの十分な摂取も骨粗鬆症や心臓血管疾患等の予防に重要です。

日本人の食事摂取基準(2020 年版)によると、1日のビタミンD推奨摂取量は、15~74歳女性が8.5ug(マイクログラム)です。

一方、令和元年の国民健康・栄養調査結果によると、国民の平均的なビタミンD摂取量は40代女性が5.3ug、50代女性が5.4ugです。
日本人の平均的な食事をしていると、ビタミンDの摂取量が、1日あたり約3ug足りていないことになります。

ビタミンDも摂取量を増やす必要があります。

3.カルシウムが多い食品

充実した生き方が、更年期を生きやすくする

カルシウムの多い食品として農林水産省は、牛乳などの乳製品・小松菜などの野菜・ひじきなどの海藻・ししゃもなどの小魚・木綿豆腐などの豆類を紹介しています。

食品群 食品名 摂取量 カルシウム含有量
牛乳・乳製品 牛乳 コップ1杯(200g) 220㎎
ヨーグルト 1パック(100g) 120㎎
プロセスチーズ 1切れ(20g) 126㎎
野菜類 小松菜 1/4束(70g) 119㎎
菜の花 1/4束(50g) 80㎎
水菜 1/4束(50g) 105㎎
切り干し大根 煮物1食分(15g) 81㎎
海藻 ひじき 煮物1食分(10g) 140㎎
小魚 さくらえび(素干し) 大さじ1杯(5g) 100㎎
ししゃも 3尾(45g) 149㎎
豆類 木綿豆腐 約1/2丁(150g) 180㎎
納豆 1パック(50g) 45㎎
厚揚げ 1/2枚(100g) 240㎎

先ほど解説したように、あなたが日本人の平均的な食事をしている場合は、カルシウムが1日あたり200mg前後不足している可能性が高いです。
なので上の表を見ながら、1日の食事に牛乳1杯(220mg)を足してみたり、木綿豆腐を1/2丁(180mg)を足してみたりしましょう。

それだけで、1日に必要なカルシウム摂取量を満たせるため、骨粗鬆症や心臓血管疾患等の予防につながります。

また、サプリメントの活用もおすすめです。
1日の不足分である200mgが含まれているものや、マグネシウムも同時に摂取できるものなど、お手軽に必要な栄養素を摂取できるように作られています。

食事で摂るのが大変な場合は、サプリメントの活用も考えるといいでしょう。

4.まとめ

まとめ

更年期には女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が低下します。
エストロゲンには甲状腺ホルモンであるパラソルモンを抑制する作用があるのですが、パラソルモンを抑制できなくなると骨からのカルシウムの溶出が増えてしまい、骨粗鬆症のリスクを高めてしまうのです。

他にも溶出したカルシウムが、血管に沈着して石灰化、動脈硬化のリスクが高まります。
さらに、膝や腰、肩などに沈着して関節痛のリスクも高まるのです。

厚生労働省によると、1日のカルシウム推奨摂取量は15~74歳女性が650mgなのに対し、日本人の平均的な食事の方は40代女性が441mg、50代女性が472mgしか摂れていません。

なので更年期の方は特に、カルシウムの摂取量を増やさなければならないのです。

また、マグネシウムやビタミンDも骨粗鬆症や心臓血管疾患等などの予防に重要なので、摂取量を増やしましょう。

カルシウムの摂取量を増やすには、1日の食事に牛乳1杯(220mg)や木綿豆腐を1/2丁(180mg)を足してみたり、サプリメントを活用したりするのがおすすめです。

更年期以降もキラキラと輝いて生きていくために、カルシウムをしっかり摂りましょう。




 

ライター:林本 直

元アスレティックトレーナー|サプリメントインストラクター保有
了徳寺大学健康科学部卒 元日本体育協会公認アスレティックトレーナー&NSCA-CSCS。
大学日本代表選手(ゴルフ、ビーチバレー)のトレーニングコーチや、ラグビーチームのトレーナーを経験。
現在はサプリメントインストラクターを取得し、ライターをしながらオンラインでボディメイクを指導している。

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